ビールの季節がやってくる1【科学からみるビールの美味しい飲み方】

ビールの季節がやってくる1【科学からみるビールの美味しい飲み方】

梅雨入りして、夏までもうすぐ。暑いの嫌いなんだけどなぁ、と思いつつ、食べ物がおいしい季節でもあるので一概に夏ヤダともいえない。

さて、夏に美味しくなる飲み物といえばビール。そのまま飲んでもカクテルにしても美味しい。ちなみに僕が好きなビールカクテルはモナコ。

そんなビールについてちょっと書いていきたいと思う。 ビールは苦いから嫌い、1杯飲めばお腹いっぱいになるから嫌い。そんな人もいるかもしれないけど、騙されたと思ってこの記事を読んでほしい。

まず、他のアルコール飲料にはないビールの特徴といえば「泡」。この泡がビールの美味しさの決め手でもあるわけ。泡の役割として、主に2つ。
1つ目、泡が蓋となってビールの炭酸ガスが抜けるのを防ぐ。これは割と有名な話。
2つ目、ビールの苦味を和らげる。これは知らない人が多いと思う。例えば、缶から直接飲むビールは、コップに注いだビールより苦味が強いと思ったことがある人いると思う。

あれはビールの泡が苦味を吸着した結果。ビールの泡は、ホップに含まれる苦味成分であるイソフムロンと麦芽のタンパク質が結合して泡を形成する。つまり、泡を立てれば苦味が抜け、泡を立てなければ苦味が抜けないということ。それと同時に、適度に炭酸ガスを抜き、軽い口当たりにする効果もあるわけ。ちなみに居酒屋の生ビールは泡は後入れしてるところが殆どのため、重たいビールになりがち。一杯飲めば十分、そんなビールになってる。誰でも美味しそうな見た目が出来る代わりに、本当に美味しいビールとは違ったものになっているのだ…。ビールを注ぐにも技術がいるってことだね。

さて、誰でも簡単に出来るビールの注ぎ方について説明。

手順は以下の通り。

1.新鮮なビールを買う。

2.グラスを冷やす。

3.ビールを注ぐ

簡単なプロセスだけど、それぞれやっぱりポイントがある。

1.新鮮なビールを買う、というのは、ビールは鮮度が命。とはいえ、スーパーで買った直後は避け、一晩ほど冷蔵庫の振動が少ないところに置いて炭酸ガスを落ち着かせてから飲むのが吉。

2.グラスを冷やす、だけではなくグラスの洗い方も重要。まず手を石鹸を使ってよく洗ってから、洗剤を使ってグラスを洗うこと。タンパク質が形成する泡は油脂分に弱いため、油脂分を完全に洗い流したいから。ホコリもまた、泡の天敵。よく洗い流そう。洗ったあとは、決して拭かず、ふせて自然乾燥させること。拭いてしまうと、布の繊維がついたり、残留した油脂分がついてしまって、泡の形成を邪魔するから。そして、ビールを冷やす際は、冷凍庫に入れないこと。これもまた、表面の水分が凍り、泡の形成の邪魔になるからです。おすすめの冷やし方は氷水。冷蔵庫よりも簡単に手早く冷やすことが出来ます。ちなみに、タンパク質の泡は金属イオンと結合して安定するから、金属製のタンブラーを使うと良いかもしれない。ただ、金属は味があるので気になる場合はガラスのグラスが良いと思う。

3.ビールを注ぐ。何にせよ、これが一番のポイント。

基本の注ぎ方は、最初は高いところから勢いよく注ぎ、泡と液体が半々くらいになったら少し休ませて泡を減らし、最後にゆっくりと注ぎ足す。

重要なのは「高いところから勢いよく」、「泡がたったら休ませる」こと。

こうすることで適度に炭酸ガスを抜き、細かい泡を作って苦味を抜いてまろやかにすることができるのだ。そして、飲み進めるに連れて泡と液体が混ざり、味の変化を楽しめるわけ。

ドイツやチェコでは伝統的に三度注ぎという、上記の注ぎ方を3回に分けたものがされてたんだけど、科学的な立証がされてなかった。しかし、2010年代に入ってからチェコの研究者が官能検査ではあるものの、具体的な研究結果を発表して裏付けられた。意外と最近の話。まだまだ料理の分野では解明されてないことも多いから科学的な調理は楽しい。

ちなみに若い人は苦味の感受性強いからより冷やして飲むと苦味感じにくくて良いかも。歳をとるほどビールは美味しくなる。

ところで、「風呂上がりのビールは美味い」という言葉あるけど、ビールに限らず、風呂上がりの飲み物は何でも美味しいよね。